2016年読んだ中で最強の激ヤバ本
あけましておめでとうございます。
最近は読書ブログだと言うのにめっきり本の感想を更新しておりませんでした。ふがいないです。
ですが、読むのはちゃんと読んできたわけで去年は漫画を抜いて124冊と、まぁ自分的には読んだ方だと思っております。そして、本日は去年1年間で読んだ中から最もヤバい本を紹介してやろうという魂胆です。
というか、本当は年末にたまたまヤバい本に出会ってしまって紹介が遅れただけなのですが、とにかく!これはヤバい!ボキャ貧でごめん。だけどヤバい!
その本とは
ババンッ
夢枕獏の『上弦の月を喰べる獅子』
です!
大学生は大衆小説読んでる場合じゃない!
坊さんは座禅くんでる場合じゃない!
サラリーマンはビジネス書なんか捨ててしまえ!
こいつを読めっ!!
ってくらいのヤバ本ですよ。ええ。
是非読んで欲しいのでネタバレはしません。しない程度に内容を紹介をしましょう。
二人の人物が初めに出てきます。一人は螺旋蒐集家のカメラマンで、もう一人は宮沢賢治(と明言はされていないが明らかに宮沢賢治)です。彼らはそれぞれの時代でそれぞれに螺旋とめぐりあわせがあり、心惹かれてゆきます。ある日、螺旋階段を見つけたカメラマンは…ある日、螺旋状の巨大な貝を見つけた詩人は…
と、物語の序章にも届いていないのですがここまでにしておきましょう。なぜなら、初見で楽しんでもらいたいからっ。
東洋思想が好きな方、陰陽的な世界観をお持ちの方、梵我一如や無我といった言葉が好きな方、是非読んでいただきたい。
眩暈がするような、自分の存在が危うくなってしまうような、そういう読書体験をしたい方、是非読んでいただきたい。
夢枕獏と聞くと
「あぁ、神々の山嶺の人ね。映画感動したよ」
「陰陽師書いた人だ。呪とはなんだ?ってくだりは好きだよー。ははっ(笑)」(←僕)
みたいな意見でしょうか。
とんでもない。こいつはバケモノだ。
この人には一体どこまで見えているというんだっ
実はこの本、1989年に第10回日本SF大賞を受賞している。それを僕は20年以上遅れて発見したというわけだ。今なお原作が映画化され、しかも高評価を受けているが、これを読んでからは納得せざるを得ない。うむぅ。唸らせる…
さて、
「私とは何か」
この物語のテーマともいうべき問いです。
しかし、書かれているのはもちろんそれだけではありません。この世には神話や伝承など、物語の形をとるのが適切な事柄というのがありますが『上弦の月を喰べる獅子』はまさにそれ。
あらゆる隠喩が込められ、それ故に再読に耐えうる、いやむしろ再読の必要があると言っても過言ではない一冊です。
いいから手に取れっ!そして読むんだ!
面白くなくても責任がとらんが面白いと保証しよう。
では