いまさら2017年を振り返りまして(映画おすすめ5選)
あけましておめでとうございます
と、言うには少し遅過ぎるのは先刻承知のうえでございます。
今回の年末年始は、寝正月を先制スタートを決めるべく、年越し前からぐだぐだしており正月もテレビを見ることすらなく初詣に行くでもなくしていたことと言えば引き続きぐだぐだするばかり。
ようやく重い腰をあげて、よし一年を振り返るぞ! と思ったときには年明けから一週間を過ぎ、もうすぐ二週間が経とうとしている有様。
いやはや、まったくもって自堕落な生活をしております。
古くから一年の計は元旦にありと言われているようですが、僕の今年は既に詰みましたね。あと350日以上残ってるのに、どうせぇっちゅうんでしょうね。
まぁ、年始早々(でもないけれど)諦めるのも癪なので、一年を振り返ってそれっぽい雰囲気にしてから一年の計を旧正月にでも賭けることにしてやれという自堕落らしい諦め開き直りの境地です。
さて、前口上が長かった。
去年の読んだ本の冊数は76で自分的には少ない方です。その前は120ちょっとだったので。だから今年のオススメはこれっ!というブログにしようにもモチベーションが足らず「どうしようかなぁ」と、うじうじうだうだして重い腰をさらに重くしていたわけです。
ですが、忘れた頃に思い出すんですね。去年は例年になく映画をたくさん見ていた、と。
トータル61本!(ばんざーい!)
ということで、去年見たなかでオススメ映画セレクションをしようという心意気で書いております。
いやぁ、前口上が長い。
それでは、今回紹介する映画はこちらっ!
ネタバレの内容に良さをアピってまいりますっ!
1.ショーシャンクの空に
スティーブンキング原作の超有名な映画。くっそ有名だからわざわざ自分が紹介する意味もそんなないかもしれないけど、良かったから小さな一票のつもり。冤罪で酷い監獄にぶちこまれるアンディが監獄の中でどうにかこうにか、のし上がっていくのがなかなか面白い。ただ、結構ひどいことされるから見ててつらい。けれど、そういうのが全部いい感じに収まっていくのが良い。ボキャ貧。オチを言わないように褒めるのは非常に難しい。
2.ファイトクラブ
これもわりと有名なもの。
主人公は不眠症を長引かせてて治療中。会社でも冴えなくて、とりあえず家具をそろえたりしてみるけれど、俺の人生こんなで良いのか…悩む姿に現代人っぽさがある。
ある日、通販のカタログの通りに大事にそろえてた北欧の家具が火事で全部燃える。つらい。つらいけど、たまたま出会ったちょい悪なイケメン(ブラッド・ピッド演じる)タイラーが救ってくれる。ところがどっこいタイラーはちょい悪どころか結構あくどい。高級レストランの給仕のバイト中、お客様用の高級料理にこっそり小便かけたりしちゃう奴。そいつが主催で夜な夜な殴り合いをするファイトクラブを開いていて、巻き込まれるのだが、いかんせんきな臭い方向に進んでいって…ここまででストップ! あとは見てください!
マーラって女の子との関係も重要な軸なのだけど、個人的には鬱屈とした人生に激しい殴り合いってのが爽快で好き。それから、北欧家具が全部燃えちゃうあたりを突っ込んでいくとミニマリスト的には面白いという意見もよく聞く。
っていうか普通に面白いからオススメ。ハヤカワから原作小説も出てる。
3.シャッターアイランド
園子温監督が好きなのだけど、彼が「いい映画っていうのは感動しないんだ。スコセッシの映画は感動しない」的なことを言ってて見てみたのがこれ。スコセッシ監督素晴らしいではないですか。
ストーリーは連邦保安官のテディが曰く付きの監獄島に調査に入るところから始る。この島、何かおかしい。しかし、おかしいのは一体なんなのか。足元がふらつく眩暈のような体験をさせてもらった。
悪い奴やっつけてみんな幸せうれぴー!みたいな映画は無数にあって、人気もあるし気楽に見れていいんですが、なんか違うんだよねって思うんですよ。シャッターアイランドはそんな変なところが無くて、これが感動しない”いい映画”かって思いました。
4.タクシードライバー
で、性懲りも無くスコセッシ監督のやつです。
男ってのは厨二病を経て大人になるんだなぁ、という感想。いい歳したおっさんが厨二病をこじらせててちょっといたくて面白い。「君は他の人とは違う感じがするんだ」みたいな口説き文句もそうだけど、徐々に厨二病が開花していって、しまいには『自分が無敵のガンマンになって迫り来る敵を撃ち抜く』練習をし始めて最高。下手に成人してるものだから本物の銃も持てちゃって「よっし。暗殺すっか」くらいのノリで暗殺を企てるのとかもウケる。
一応言っておくと、別にコメディーではない。実はちゃんとした”いい映画”だ。
真面目に生きている人は時におかしく見えてしまうものなのだ。そういうリアルさがある。
5.溺れるナイフ
これね。これ、やばい。
山戸結希監督、ジョージ朝倉原作の少女漫画の映画化。
山戸結希が監督・脚本の『おとぎ話みたい』を以前に見たことがあって、この人やばいんじゃなかろうか?と思っていた。『溺れるナイフ』は上映してた頃から気になっていたけれど、なんとなく気後れがして観るのがだいぶ遅くなってしまった。
感想としてはやはりトンデモなかった。
やばい。かなりやばい。少女漫画ってたまに侮れないものがあるけれど、そこに山戸結希の演出力が重なってもうやばい。
さっきからやばいしか言ってなくて頭おかしいんじゃないかと思われても仕方が無いのだが、本当にすごいものに出会ったとき人は言葉を失うのだ。美味いものを食べて「海の宝石箱やぁ〜」と言うのはテレビの中だけだ。(ネタが古いのは申し訳ない)本当に美味いものを食べたらため息をつくか、絞り出すような「うまい」を言うかだ。
つまり、この映画は本当にすごいということ。よくコミックの映像化や実写化がクソという意見があり、自分も概ね賛成なのだが、これは違う。
山戸結希の演出はどれもこれも心をめちゃくちゃ揺さぶるのだ。本作では神様の信仰が根強く残る地域が舞台なのだが、心にダイレクトアタックできる超能力者がそんなものを加工してしまったのだから、とんでもない相乗効果をもたらしてしまったのだ。
スコセッシ監督の紹介のときも似たようなことを言ったが、好きな人といろいろあったけど両想いになれてうれぴー!私たちずっと幸せ!みたいなのはなんか違うのだ。一時的な胸のときめきで留まる。だから、キュンキュンしたい乙女には物足りなさを感じさせるかもしれない。(ちなみに予告編はそっち方向に誘導した見せ方であまり好きではない)
『溺れるナイフ』はもっと心にズドンっと大砲がぶちのめされるようなインパクトを残していく。
ほぼ内容の紹介をしていないことに今気付いたが、この感動だけ伝われば本望だ。
感じ方など人それぞれだというのは重々承知の上で、あえて高飛車な言い方をするが、この映画を観て何も感じないのなら映画が悪いのではなくあなたが悪いと思った方がいい。
『溺れるナイフ』は単なる恋愛映画で収まっていいタマではないのだ。