よみしろの読む城

好きな小説を好きなだけ褒めちぎります

小市民シリーズ(米澤穂信)について

前回の「古典部シリーズについて」に続いて今回は小市民シリーズを取り上げたいと思います。

 

表紙がどれもいいですね。小市民シリーズ通して、片山若子さんというイラストレーターの方が表紙を手がけているのですが、この人の絵はたまりません。大好きです。表紙だけで買いたくなってしまいますね。というか『たったひとつの冴えたやりかた』とか表紙だけで買ったのもあります。

いつか好きが高じて片山若子さんのイラスト集『渋皮栗』を買いそうな予感がします。

 

 

<小市民シリーズ>とは

さて、小市民シリーズについて簡単にご紹介します。現在出版されているのは『春季限定いちごタルト事件』『夏季限定トロピカルパフェ事件』『秋季限定くりきんとん事件』の三作です。ファンの中には早く冬季限定を出してくれとの声が強いですが、まぁ我慢しましょう。(まさか秋で終わりということは...無いですよね?)

 

主な登場人物は、小鳩常悟郎・小佐内ゆき・堂島健吾の高校生3人。小鳩君と小佐内さんは後ろ暗い過去があって互恵関係を築きながら、二人で小市民をめざします。

小鳩君はどうしても謎があると解きたくなってしまうたちで、それが祟ってトラブルを起こしがち。バレたくない秘密を暴いてしまったりして、出しゃばりすぎてしまうのです。小佐内さんの秘密は、一応伏せておきましょう。『春季限定いちごタルト事件』を読み進めれば分かります。甘いものが大好きで美味しいケーキなんかは全部知ってます。堂島はというと、正義感が強く人情の厚い男子で、小鳩君とは小学校の時の知り合い。小鳩君が持ち込む厄介ごとに協力をさせられることがしばしば。

 

小市民になりたい小鳩君と小佐内さんですが、なぜか周囲に事件がやまず巻き込まれてしまいます。封印したい自分の悪い癖を抑えようとしてみたり、でもうっかりやってしまったり。小市民への道はなかなか遠いのです。

 

 

見所その1 食べ物

小佐内さんの甘い物好きは半端じゃありません。あっちこっちに美味しいデザートを知っていて食べ回っています。しかも美味しそうに語るのだから読んでるだけで食べてみたくなってきます。

 

僕はこの小説に出てくるいちごタルトに惹かれすぎて、これを読んだ友達といちごタルトを食べる会を開くまでしました。シャルロットもすごく美味しそうに書いてあるものだから食べたいんですが、美味しそうなお店を見つけられていないので断念しています。

あと、りんごあめ!むらまつやのりんごあめが食べたいです。米澤先生、元ネタがあるなら教えてください。

 

 

見所その2 日常の謎

古典部シリーズと同様、人の死なないミステリーと称され解決する事件は日常に潜む謎です。学校の試験中にガシャーンと大きい音がなったという話から推理を進めてみたり、バスで次降りる人の予想を立ててみたり。

 

平和な日常に潜むちょっとしたきっかけから意外な真実を暴いてみせて、殺人事件が起きてないのにこんなにわくわくしたミステリーを作れるのか!って感じです。

 

電車の中で目の前の高校生の部活当てゲームとか1人でしたことがあるんですが、やっぱり難しいですね。小説家ってすごいんだな。(小並感)

 

 

見所その3 小鳩君の推理過程

前回の古典部シリーズで、折木奉太郎のモットー「やらなくていいことはやらない。やるべきことは手短に」について触れ、頭のいい人にありがちな思考回路を持ったキャラクターだと言いました。

 

小鳩君もその点では同じです。「僕が思うにこれは・・・で解ける」と明言するのですが、これは問題の全体像を俯瞰し、解答にいたる道筋を見つけられているということですね。受験の数学で解法が分かってるからあとは計算ミスさえ気をつければいいみたいな状態です。強すぎます。

 

推理の過程も非常に合理的で論理の漏れが無いように慎重に進めていく様は見事としかいいようがない。変にマニアックな知識をひけらかすこともなく、きれいな解法です。

だから自分にもできてしまうような気がしてしまうのですが。まぁ無理ですね。

 

 

まとめ

一言でまとめるなら「これは面白い本なので読んでみてください」

 

もう少し丁寧に言うならこんな感じ

小佐内さんのスイーツレポートや小鳩君の推理。平和な日常が孕むワクワクする謎の数々。二人はどうなっていくのかも気になってページをめくる手が止まらないとはまさにこのこと。是非お手に取ってみてください。

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