よみしろの読む城

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フィッツジェラルド短編集 (スコット・フィッツジェラルド)

華麗なるギャツビー』で有名なスコット・フィッツジェラルドの短編集です。

 

6篇収録されているのですが、やはり全体的に似ているところがありますね。同じ作家の作品をいくつか読んでみるとなんとなくその人が見えてくる感じがありますが、フィッツジェラルドは成金とか金持ちとかを扱うのが上手いと言いますか、そういう人種を見てきた人なのだなと思いました。

 

お金に余裕のある人特有のどことない満たされなさ。金持ちだからこそお金に惑わされ寂しさに襲われるような、そんなものを感じました。

 

僕は『ノルウェイの森』の永沢さんとワタナベ君にさんざん言われた(?)ので『華麗なるギャツビー』を読んだのですが、残念なことにあんまり楽しめませんでした。読書経験が浅かったせいかと思って読み直した2回目でもあんまりでした。逆に短編集の方は好きでした。

 

何がいいと言われるとちょっと困ってしまうんですが、それだとブログ書く意味がなくなってしまうので「こらたまらん!」ってなった描写を載せたいと思います。

 

夕刻になり、黄金色と濃淡さまざまのブルーと深紅色が渦を巻いて乱舞するなか、太陽は沈み、西部特有のサラサラに乾燥した夜がおとずれた。デクスターはゴルフクラブのベランダから目をこらし、微風にゆられてむらなく波立っている水のおもてを、秋の満月に照らされて銀色に光る糖蜜を眺めていた。やがて月がひとさし指を唇にあてると、湖は澄みきったプールに変じた。色合いは淡く、水面は穏やかである。 

 

どうでしょう?静謐さを際立たせた自然の描写がすごくいいですよね。月がひとさし指を唇にあてると、ってすごいです。ただただすごいです。

 

これは翻訳者さんの手柄でもあるんでしょうか。『華麗なるギャツビー』は新潮社ので読んだのですが、翻訳者は野崎孝さんでした。事実関係を追っていくのだけで苦労して入り込みきれませんでした。やはり『ノルウェイの森』から入ったので村上春樹訳の方が良かったんでしょうかね。『ライ麦畑でつかまえて』も野崎孝訳で読んでちょっとつらい思いをしたので個人的に相性が悪いのかもれません。

 

と、話がだいぶそれてしまいました。これでは全然フィツジェラルドの紹介をできてないです。どうしましょう。

 

こうしましょう

 

この短編集の中でもう一つ、僕が気に入っている『狂った日曜日』の冒頭部分を紹介してお茶を濁すこととします。

 

日曜だった⎯⎯⎯⎯⎯⎯それはひとつの日というよりも、土曜と月曜の間にできた裂け目だった。

 

では、読者みなさまが内容が気になり始めたであろうところで、今日はさよなら。

 

 


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