よみしろの読む城

好きな小説を好きなだけ褒めちぎります

死んでしまう系の僕らに (最果タヒ)

初めて扱いますが、詩集です。

 

僕はほとんど詩には手を出さないので紹介するのもおこがましいくらいなのですが、好きになってしまったので、仕方ないですね。

 

まず、表紙とタイトルが素敵です。


詩は全体が短いだけあって一単語一単語を大事に味わっていきたいところ。

そんな心持ちに『死んでしまう系の僕らに』は応えてくれるかのように、読むまえから詩の世界に導いてくれます。(最果タヒの世界へようこそ~)

 

中をのぞいてみると期待通り、うら寂しくもどこか優しい、ふんわりした世界に没入していきます。

全体的に死の香りが漂い、ひやっとするところも多いのですが、死を背景にしているからこそ立ち現れる刹那的な美しさというものもあるのですね。読んでいると周りが静かになっていくようです。

 

きっとペンネームの「タヒ」は死からとってきていますよね。「最果」の方も終末感を匂わせます。

正直に言うと、まったく分からない詩もたくさんありました。でも、それでもいいかなと思わされるのは、他の詩から感じ取れる美しさが補って余りあるほどだったからでしょう。

 

いつだったか「人の分からないように書くのは簡単だ。誰にでも分かる文章を書く方が難しい」というのを読んだことがありますが、最果タヒさんの詩を読んでからでは「ホントにそうなのかな?」と思うようになりました。


心の内面世界をこんな形で表出することは並大抵のことではないですし、あの言葉たちは今は分からなくてもいつか何倍にもなって心に沁みてくる予感がします。そんな言葉を捻出するのって誰でも分かる文章を書くよりよっぽど難しいです。きっと、さっきの言葉はビジネス本かなにかの言葉で、文学的なものなら話は別っていうことなんでしょうね。

 

言葉一つで生活している人の言葉の重みをズシンと感じてしまう。そんな詩集でした。


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