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よみしろの読む城

好きな小説を好きなだけ褒めちぎります

美しい星 (三島由紀夫)

最初に読んだ三島由紀夫です。

 
代表作ではなく、こっから入ったのは別サイトでおすすめされていたのを見たからです。
僕のサイトから読者が増えるのを期待しつつ、参ります。
 
『美しい星』は設定がトンデモなくて、突然自分たちが宇宙人である事に気づいた一家が地球を何とかしようとする話です。
 
凄いですね。一見するとぶっ飛んでるだけのおふざけ小説に見える訳ですが、ところがどうして三島は本気です。

最後に宇宙人同士での論争があるのですが、そこでの地球人に対する理解や地球人の未来に対する希望は三島自身の日本人に対する思いでしょう。日本人が精神的に骨抜きにされている現状を嘆き、愚かさに絶望し、それでも救いたかった三島の意志が読み取れます。
 
人間はバカなのだから苦しまない内にさっさと滅亡させてあげた方がいいじゃないかという言い分に、あなたならどう答えますか?

『美しい星』を通して三島なりの解答を一つ、いただきました。

ただ、自分がしっかりした政治思想を持っていなかったために、消化不良な感が残ったのが残念です。衝突するにしろ受け入れるにしろ、もっときちんとした形で向き合えたらなと思い、また、自分も骨のない日本人の1人に過ぎないのだなと情けなく思います。
 
 
さて、いろいろ真面目なことを書いてきましたが、『美しい星』は政治的な角度以外からも楽しめます。

例えば、僕が面白いと思ったのは一家の長女が地球人は全く仕方がないと見下すあたりのくだりです。散々地球人を心のうちで貶しているのですが、彼女自身をよくよく観察してみると案外普通の人間らしさが垣間見えるのですよね。つまり、自分を特別視している人間の凡庸さよ、とつくづく思わされるのです。

 
と、思っていたらお父さんが実は本当に凄かったりもしたのですがね。
そう言えばお母さんがほとんど表に出てこないのは三島なりに理想とすべき家族の在り方を描いていたという事なのでしょうか。
 

なんだか別の三島由紀夫作品も読んだ方がいい気がしてきました。
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