働く男
星野源さんの一冊。
自分がほぼテレビを見ない生活をしているからか逃げ恥で有名になる前は、なんか歌手とかもしてる人としか知りませんでした。
本を書いているも知ってはいましたし、評判が良いのも聞いてましたが、歌手に俳優に執筆業とは節操が無いなと思ってました。正直なところ。
ところがどっこい、こんなエネルギュッシュな人があるかいなって。
自分の『好き』を思いきり堪能して追求してたらこんな自分になっちゃった。てへ(笑) みたいな人だったんですね。星野源さん。
だから映画紹介もめちゃくちゃ面白そうに書くし、面白そうに書かれたもんだから見たくなるし、「楽しい」がすごい伝わってくるんですね。
ひたすら自分の好きなようにおすすめしたりこんなことしたとかこういう思い出があるとか書いてあって楽しくおしゃべりしてるのを聞いてるような感覚でした。
途中に、俺を支える55の○○ってコーナーをやってて驚いたんですけど、55も思いつけます?普通。
親とか小学校の先生とかじゃなくて、好きな音楽グループとか好きな映画とか脚とかなんですよ。そんなんで自分を形作るのを55も挙げられるってのは、素直で、楽しむのが上手いんだろうなと思ってしまうわけです。
当然、そういう生き方って苦労も人一倍なんだろうと思いますが、「人間どうせいつか死ぬし…」とキメながら他人の「好き」に流されなるべく波風立たないような生き方をしてる自分を猛省させられました。
(すごく楽しいというほどでもないのに、ソシャゲに時間を取られ過ぎている惰性を止めようとささやかながら決意しました。やるならやるで楽しみたい。寝るのがめんどいからなんとなく開くみたいなのをやめたいなって。わたくしごと)
まとめると『働く男』、おすすめ度数けっこう高いです。
というのも、ちゃんと生きてる人のちゃんと血を通わせた文章って何かしらのエネルギーがあって、影響されるんですよね。そういう体験はめちゃくちゃ楽しい。
本の中で、音楽は世界を救うなんて戯れ言だ。でも、もしかしたら一人を変えることはできるかもしれない。というような主旨のことを述べていました。
この本自体が一人を変えるに足る力があると感じました。そして単純に面白い。
是非、手にとっていただきたい。